タイヤのサイドウオールには、たくさんの情報が詰まっています。何万km走っても消えずに残っているブランド名、タイヤサイズ、製造年週・・・。さらにセリアルナンバーを読めば製造工場などもわかります。それだけではなく、新品のときには見えていても数カ月走ると消えてしまうマークなどもあるんです。
新品タイヤには黄色と赤色のマークがついているのを見たことありませんか?今皆さんが乗っている車のタイヤには消えてしまっているかもしれませんが、新品のタイヤにはこの黄色のマークと赤色のマークがついているんですよ。
タイヤについている名称としては、黄色のマークは「軽点マーク」といい、赤色のマークは「ユニフォミティマーク」と言います。
軽点マーク
タイヤを水平に置いたときに一番軽いポイントに打たれるマークです。ホイールでは空気を入れるためのバルブが付くところが重くなると考えられるので、タイヤを組み込むときに黄色い「軽点マーク」はバルブに合わせるのが標準的です。タイヤの重量バランスの観点からホイールの最も重い部分と考えられるエアバルブ取付部分と、タイヤの最も軽い黄色の「軽点マーク」部分を合わせることで、余分なウエイト(重り)を付けなくてもタイヤバランスを保つことが可能となるんです!
また、このタイヤの軽点マークを用いたタイヤとホイールの位置合わせは「質量合わせ」と呼ばれています。タイヤショップなどでは、タイヤ重量を相殺してバランス修正をしたときのバランスウェイト量を最小限に抑えることができるとして、一般的に取り入れられている方法となります。
ユニフォミティマーク
このマークが刻印されているタイヤの部分は、タイヤの縦方向で一番硬く、タイヤ外周では一番広い部分を表しています。つまり、タイヤ中心部からの外径が最も大きな部分にマークがあります。これはタイヤの構造上、張り付ける際に一周した部分をわずかに重ねるため、その部分の厚みが増すことになり、タイヤに外径差に大きな部分が発生するというわけです。
実は、タイヤとホイールは真ん丸ではありません。もちろん真ん丸が理想ですが、タイヤメーカーにしてもホイールメーカーにしてもそれぞれに高い真円性を持つように製造を行っており、製造過程で完全な真ん丸ではありません。また、タイヤは走行時に多少変形しますが、それでも安定感のある安全な走行には高い真円性が大切になってきます。そこで、タイヤの外径差が最も大きい赤色マーク「ユニフォミティ・マーク」部分と組み付けるホイールの外径の最も小さな部分を合わせることで、より中心軸に対して丸く滑らかな回転ができるとわけです。
ただ、このユニフォミティマークは国内メーカーの一部や、海外メーカーでは採用されていないようです。